第5回『いきいきシルバー出前教室』レポート

高齢者の皆さんの食生活を応援する『いきいきシルバー出前教室』。

第5回は、「播磨の法隆寺」とも称されている『鶴林寺』の近く、加古川市加古川町からのレポートです。

『いきいきシルバー出前教室』~高齢者の食事~

2017年9月27日(水)開催 養田北町内会集会所 『ふれあいサロン養田北』

オープニングまでの受付時間に加古川市地域包括支援センターの看護師さんによる血圧測定と健康相談。「体調はどうですか?」「元気よ。」「最近、血圧が高くなって。寒いからかな?」など血圧を測って貰いながら、始まりまでの時間を過ごします。

オープニングは、ハーモニカの演奏活動をされている野村昭夫さんにお越しいただき、絵本『ばあばは、だいじょうぶ』(楠 章子 作/いしい つとむ 絵)の朗読と、ハーモニカの演奏を披露していただきました。

野村昭夫さんのハーモニカ演奏

『ばあばは、だいじょうぶ』は、認知症の症状が進んでいく「ばあば」の変化に戸惑いながらも、少しずつ向き合えるようになる少年のお話。身近な人、あるいは自分のこととして、「老い」を感じたときに直面する切実な問題が、少年の目を通して描かれています。

参加者からは「年を取るのは避けられないけれど、自分の努力で少しでも長く元気に暮らせるならと思って参加しています。」などの声が聞かれました。

ハーモニカの演奏では、「赤とんぼ」や「ふるさと」など、参加された皆さんにはおなじみの文部省唱歌ばかり。
「歌うことは、口の筋肉を動かし、呼吸に関わる筋肉も動きます。いつまでも、元気で暮らすために食べることは大切。お口の運動も兼ねて、懐かしい曲を一緒に歌いましょう。」野村先生に促され、愁いを帯びたハーモニカの音色に乗せて、思い思いに歌を口ずさむひと時となりました。

野村昭夫さん

ご家族や友人とのエピソードなど、昔懐かしい思い出に浸った後、管理栄養士の木澤孝子先生から、高齢期の食生活についてお話を伺いました。

木澤先生は加古川健康福祉事務所管内栄養士会の地域活動部で、子ども達や保護者の方々に「食」の大切さを知ってもらう活動をされており、子育て中の保護者から寄せれる悩みも、最近は変わってきたのだとか。

木澤孝子先生

「好き嫌いや偏食の相談が多いのは変わりませんが、以前は保護者の悩みを支える祖父母や地域の方がいたように思います。子育て世代とシニア世代の交流の場があればいいですよね。」

「飲み込みにくい」から低栄養に!予防のためのバランスの良い食事とは?

まず初めに、高齢期の低栄養についてのお話がありました。

「今、日本人の平均寿命は男性で80.21歳、女性で86.61歳と世界でも類をみないほど長生きになっています。『若い時はこんなんじゃなかったけどなぁ』といった、身体の変化を感じることはありませんか?特に、飲み込みにくくなったと思われる方は、気を付けて下さいね。」

高齢者は、「飲み込みにくい」「噛みにくい」といった年齢による身体の変化の他、買い物や料理をすることがおっくうになったり、好きなものばかり食べたりすることも、低栄養の原因になってしまいます。参加された皆さん、好き嫌いなく食べられる方が多いようでしたが、「バランスが良いかどうかは、自信がないわ。」という声も聞こえてきました。

自分の食事のバランスがとれているのか、先生の話を聞くみなさん

そこで、食べ物カードを、①黄色(体や脳のエネルギー源の主食)、②赤色(体をつくる主菜)、③緑色(体の調子を整える副菜)の3つのグループに分けてみました。

「ご飯は何色でしょうか?お肉は?ほうれん草は?」木澤先生が次々と掲げる食べ物カードが、テンポよく色分けされます。参加者の皆さん、「サンマは赤!」「トマトは赤いけど緑!」と、声も大きく、盛り上がりを見せます。

木澤先生が次々と食べ物カードを掲げる様子

すべてのカードを分け終えた後、木澤先生から食べ方のポイントの説明がありました。

「おせんべいやクッキーなど、結構食べていませんか?おせんべいやクッキーは①の黄色グループに入るので食べ過ぎには気を付けましょう。糖尿病予防のために『野菜から食べましょう』と、言われることがありますが、食べる量が減ってきている皆さんくらいの年代は、②の赤色グループを先に食べて、体を作る栄養素をしっかりと摂って欲しいです。そして、①の黄色、③の緑色と、まんべんなく食べてくださいね。」

木澤先生から食べ方のポイントの説明

ロコモ予防の食事と、かかとストン体操で、骨に刺激を与えましょう

骨や関節、筋肉などの運動器の働きが衰えて、要介護になる危険性の高い状態がロコモティブシンドローム(運動器症候群、通称ロコモ)。ロコモ予防の為にも、大切なのはバランスの良い食事です。

「骨を強くするカルシウムやたんぱく質、ビタミンDなどを合わせて摂ることが大切です。」と木澤先生。カルシウムの吸収率が良いのは牛乳や乳製品ですが、苦手な人は小松菜やしらす干し、大豆や大豆製品などで摂ってもいいそうです。

「鮭などの魚やキノコ類に多く含まれるビタミンDは、腸でのカルシウムの吸収を高める働きがあります。中でも、椎茸や干し椎茸に含まれるビタミンDは、天日干しにすると量が増えるんですよ。」

木澤先生お勧めは「椎茸を干すついでに、自分も日光浴する」こと。日光を浴びることで、私たちの体内でもある程度のビタミンDが作り出せるそうです。

また、骨は物理的な刺激が加わると、強さが増すということで、簡単な体操をご紹介いただきました。

立った状態で両足のかかとを上げて、ストンと落とす体操

「立った状態で両足のかかとを上げて、ストンと落とす。立つ姿勢が不安定な方は椅子に座ったままでもいいですよ。外を歩くことも刺激になるのですよ。」

さっそくやってみました、かかとストン体操。「食事の後にしたらいいねー。」なんて声も聞こえてきました。習慣にできるといいですね。

青背の魚の油の秘密

アジやイワシなどの青背の魚に含まれるEPAやDHAなどの不飽和脂肪酸は、脳の神経伝達や血行を良くする働きがあり、認知症の予防に効果的だといわれています。

「魚が寒い海の中でも元気に泳いでいられるのは、氷点下でも固まらないこの成分のおかげなのですよ。魚を食べるのはもちろん、牛乳や乳製品、肉などの魚以外の動物性脂肪もほどよく摂りながら、色々なものを食べていただきたいですね。」と木澤先生。

「認知症」という言葉に反応された皆さんから、「他にはどんな食べ物がいいの?」との質問がありました。

「抗酸化作用のあるビタミンCやビタミンE、βカロテンも大事です。抗酸化作用というのは、屋外で育つ植物が、紫外線から身を守るために持っている作用で、野菜や果物に多く含まれています。1日に摂って欲しい野菜の量は350g。緑黄色野菜もしっかりと食べてくださいね。」

「今日、来られてすぐに、血圧測定をしました。皆さんの血圧測定の結果はいかがでしたか?」
会場から、「高かった。」「高血圧のお薬飲んでいるから普通やったで。」などの声が聞かれます。

「高血圧予防のためにも減塩することが大切です。美味しいと感じるものは、食塩も多く含まれるので、日ごろから気を付けないといけないですね。」と、木澤先生。

「汁物は1日1杯までにしているよ。」「麺類のおつゆは飲まないようにしているわ。」など、皆さんから声があがりました。

東播磨のおすすめ野菜の冊子を見せる先生

最後に、おなじみの合言葉『まごわやさしい』と今回のおさらいをして、講座が終わりました。『まごわやさしい』とは、1日1回は摂取したい7つの食材「まめ・ごま・わかめ・やさい・さかな・しいたけ・いも」の頭文字をつなげたものです。

「あー、血圧の薬飲んでいても減塩せなあかんね。」「脳梗塞は怖いからな。」「野菜は足りてないかも。」と、生活を振り返りながらお互いにアドバイスを始める皆さんは、とても楽しそうでした。

「まごわやさしい」を説明する先生

講座終了後に、『ふれあいサロン養田北』を主催されている小野さんにお話を伺いました。

「カラオケ大会やバス旅行などもあるのですよ。地域の高齢者の方に楽しんでもらえる内容を心掛けています。七夕祭りなどの季節イベントでは、町内の婦人会や少年団との交流も育まれました。地域の皆さんへの感謝の気持ちで運営しているので、年齢を問わずたくさんの方に参加していただけると嬉しいです。社会福祉協議会の方にも携わっていただき、地域の高齢者の生活を、地域みんなで応援していけるといいですね。」

参加者の声

  • いつも楽しみにしています。
  • 自分の食事が、偏ってることに気がついた。今日から気を付けます。
  • 懐かしい歌をみんなで歌って、お口の体操、楽しかったです。
参加者のみなさん
参加者のみなさん

作った料理の写真を投稿しよう♪

投稿いただいた写真からステキな作品は、レシピページの写真に採用されます♪

※ 記入いただいたメールアドレスは投稿しても表示されません。