第6回『いきいきシルバー出前教室』レポート

高齢者の皆さんの食生活を応援する『いきいきシルバー出前教室』。

第6回は、国登録有形文化財でもある「花井家住宅主屋」「松宗蔵」「大崎家住宅主屋」など、歴史的建物からノスタルジックな雰囲気を味わえる、高砂市高砂町からのレポートです。

『いきいきシルバー出前教室』~高齢者の食事~

2017年10月2日(火)開催 高砂公民館 『さわやか交流会』

高砂市では、介護保険を利用していない65歳以上の人を対象に、「地域介護予防教室」を開催しています。
高砂公民館では、月に1度『さわやか交流会』として集いの場があり、参加される皆さんが、楽しく健康に役立つような時間を過ごせる催しをされているそうです。
今回は「ミニ運動会」の予定でしたがあいにくの台風による大雨で、参加者はいつもより少なめです。みんなで軽く体を動かした後の『いきいきシルバー出前教室』。講師は、加古川健康福祉事務所管内栄養士会の地域活動部、渡辺佐代子先生です。

渡辺佐代子先生

『10食品群チェックシート』、7つ以上〇が付けばバランスよし

公衆栄養学の実習に来られた学生と一緒に、「ミニ運動会」を楽しまれた参加者の皆さん。

まずは「10食品群チェックシート」で食べたものチェック。
「10食品群チェックシート」とは、食品を10種類(肉類、魚介類、卵、牛乳・乳製品、大豆・大豆製品、緑黄色野菜、芋類、果物、海藻類、油脂類)に分類したチェックシートです。1日のうち、1回でも食べたものに◯印をつけていきます。

「昨日の夕食と今日の朝食、昼食、3食の食事を思い出してみましょう。食べた量にかかわらず、食べた種類にチェックを入れてみてください。」
「チェックが入らなくても、落ち込まなくていいですよ。今日食べていなかったら、明日食べれば大丈夫。食べたものを思い出すことも、脳のトレーニングになるのです。」と、渡辺先生。

10食品群チェックシート

「昨日は何を食べたかな?なかなか思い出せないわ。」「好きなものを食べていたらちょっと偏っていたのかな?なかなかチェックが入らない。」と苦笑いしたり、「娘が食事を作ってくれるから、バッチリ!」と笑顔で話されたりする皆さん。何かを一生懸命に考えることは、とても良い脳の刺激になるそうなので、こうしたレクリエーションでお友達とワイワイすることも、刺激になっていいですね。

「食べること」と「食べ方」が低栄養予防のポイント

続いては、『いきいきシルバー出前教室』ではおなじみのテキスト、『高齢期の食生活』に沿って、渡辺先生より丁寧に説明していただきました。
高齢者は特に気を付けたい、低栄養。その原因として、以下のことが挙げられます。

  • 食欲の低下
  • 機能の低下
  • 気力の低下

『高齢期の食生活』を見るみなさん

「買い物がおっくうになっていませんか?冷蔵庫が空っぽになって、お茶漬けばかり食べていませんか?外出することが少なくなると、活動量が落ちて食欲が出ませんね。すると食べる量が少なくなります。好きなものばかり食べていても、栄養バランスが悪くなります。体に必要なものが足りなくなり、たんぱく質も不足して、低栄養の原因にもなってしまいます。」

「『虫歯がある』『入れ歯の調子が悪い』などの場合、早めに歯医者さんで相談して、お口の状態をよくすることも大事ですよ。唾液が出にくい、飲み込みにくいといったことでも、食が進まず、低栄養につながってしまいます。」と渡辺先生。

皆さん「あるある!」と大きくうなずきながら、やや心配そうな表情を浮かべていらっしゃいます。

「毎日3食、色々なものを、少しずつでも食べることができていれば、低栄養は防げますよ。」会場の様子を察した渡辺先生の一言で、ほっとした皆さん。
「どんなものを食べればいいですか?」「朝はパンでも大丈夫?」と、矢継ぎ早に質問が飛びます。

先生に質問する参加者の方

1日3食バランスよく、おやつも食事と考えましょう

低栄養予防には、バランスの良い食事を1日3食摂り、たんぱく質やカルシウム、ビタミンなどの栄養をしっかり補給すること、良質なたんぱく質やカルシウムをとることが大切です。食べ方にも、ちょっとした工夫があるとか。渡辺先生に、具体的なポイントを伺いました。

「年齢とともに消化・吸収の力が落ちるので、しっかり食べないと体に入ってきません。1度に量を食べられない人は、少しずつ何回かに分けて食べるのもいいですよ。ヨーグルトやチーズなどの乳製品、バナナなどの果物をおやつとしてとることで、ビタミン・ミネラル類を補うことができます。ただし、食事の邪魔にならない量にしましょう。」

みんなで食べよう、共食で美味しさアップ!

家族や友人など、誰かと共に食事をすることを「共食」といいます。

「ひとりで食事をするより、誰かと一緒に楽しく食事をするということも大切です。いつもよりおいしく感じて、いつもよりたくさん食べられることもありますよ。1品持ち寄り形式の食事会などは、おかずの交換もできて楽しいですよ。」と、渡辺先生。

「近所にお店がなくて、集まるところがない!」と言っておられた皆さん、持ち寄り食事会のアイデアに、パアッと顔が明るくなっていらっしゃいました。今回のような交流会で、食事会が企画できるといいですね。

渡辺先生は、普段の食事でも量を多めに作って、冷凍保存しておくのだそうです。

「ひじきの煮物、だいこんの煮物、鶏ミンチのハンバーグなど、冷凍できるおかずは1食分ずつラップで包んで冷凍してあります。冷凍のいいところは、温めなおしても味が濃くならないところ。料理したくないなぁという時でも、冷凍庫に2〜3つ何かあれば安心ですよ。」

一人暮らしの方や調理が大変な方は、スーパーで販売されている冷凍食品や缶詰などが、利用しやすいですね。冷凍したものや買い置きしたものを取り混ぜて食べると、食事の偏りが防げそうです。

楽しそうに会話するみなさん
楽しそうに会話するみなさん

今日から始められる、ロコモ・腰痛・ひざ痛対策

日常的に運動習慣を取り入れることで、活動量を増やし、からだの柔軟性を高めることができます。

骨や関節、筋肉などの運動器の働きが衰えて、要介護になる危険性の高い状態がロコモティブシンドローム(運動器症候群、通称ロコモ)です。渡辺先生ご自身も、ひざを痛めた経験がおありで、脚の筋肉を鍛える重要性を実感されたそうです。

「ロコモ予防の為には、骨を強くする食品を食べることも大事ですが、日ごろから体を動かすことが大切。体操やストレッチを続けていると筋肉がつき、柔軟性も高まるので、腰痛・ひざ痛の予防にもなります。」

最後に、渡辺先生からのメッセージがありました。

「病気になったら、病院で治療してもらうことになりますが、毎日の食事や運動は、自分で頑張れることも多くあります。例えば、骨の状態は『歳を取ったから骨量が減るのはしょうがない』じゃなくて『減らないように工夫する』ことはできますね。食事も運動も、毎日ちょっとずつ続けることが大事です。」

人と接して話したり笑ったりすることで、気持ちが明るくなります。のどやあごが鍛えられ、唾液の分泌も良くなるそうです。今回のような集まりに参加することも、高齢の方が生き生きと暮らす秘訣になりますね。

「ミニ運動会」で体を動かし、『出前教室』で食生活を学ぶ。心と体の健康づくりにつながる時間を過ごしました。「楽しかったー。」と笑顔で帰って行かれる皆さんは、心なしか足どりも軽やかに思えました。

参加者の声

  • 『10食品群チェックシート』のチェックが増えるよう頑張ります。
  • 食事を食べていても、バランスが悪いと低栄養になるかもしれないと、聞いて驚きました。
  • 毎晩、寝る前にここで教えてもらった体操をしています。健康に役立っていてよかったです。

参加者のみなさんや先生、学生の集合写真

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